028:プラットホーム

その日は混んでいた
その次の日も混んでいた
それが日常だった

毎朝の電車が苦痛になったのはいつの頃だったろう

眩暈 吐き気 貧血
全身を襲う苦痛に耐えていた
その苦痛を少しでも減らすように
仁王の手が幸村の身体を支えていた


「まだ苦しいと?」

「…平気だ」

「そうならいい」


言葉では平気と言いながらも
幸村の顔は青白くなっていた


「幸。俺が幸のプラットホームになっちゃる」


幸村は微笑み仁王の胸に顔を埋めた


「随分とサービスのいいブラットホームだな」

「こげにいいモノ、他に無いとよ」

「分ってるさ。ありがとう、雅治」






20050625

ブラットホーム=立つための台の意