お日様の下で

生きる、ってなぁに?

死ぬ、ってなぁに?

約束、ってなぁに?

そんなに難しいことをおれは言ってるのかなぁ?
そんな気は全然しないのに
でも答えてくれる人は少なくて
おれは自分のソラを見上げて憂鬱になった

いつも晴れてる訳じゃないっけど
おれのソラは大抵は青と茜のソラ
それが今は漆黒のソラ

暗い場所は好きじゃない
明るい場所は好きじゃない
おれの好きな場所
それはおれを
おれの存在を認めてくれる人が居る場所

そしてそれがおれのソラ

あともう少しでおれだけが先に大人に近づく
それが嫌で嫌で仕方ないんだ
誰よりも先に
おれが大人になる

成人するっとかじゃない
だけどみんなの中で1番上になっちゃうんだ
おれはそれが怖い
跡部は笑って

「何だ、それ。お前がお前なことに変わりねぇだろうが」

そう言ってくれたっけど
おれは怖いんだよ
大人になることが怖い

大人って、なぁに?

跡部は苦笑するだけ
侑ちゃんは‥?

「あんな、ジロ。二十歳になったから大人な訳やないんやで」
「じゃあどうしたら大人になるの?」
「せやな‥。ジロのソラが、消えた時やろか」

淋しそうに言った侑ちゃんの顔が
おれの頭から離れない

おれのソラが消える‥
そんなことあるのっかな?
いっつも一緒だったこのソラが消える
そんなこと無いよ

なのに侑ちゃんは消えた時が大人だって
そう言う
なんでだろ‥わっかんないや

わっかんないけど
今のおれのソラはオレンジ色
それはわくわくの色

どんなに嫌がっても
おれの産まれた日は迫って来る
あと‥12日

おれは残されたこの12日をどう過ごそう

誰にも邪魔されないように
家で寝てようか
それとも跡部のとこの温室で寝てようか
心地良い侑ちゃんの膝の上で寝てようか

どうしよう‥

「ジロ。どうせやったら、普段とちゃうことしぃや」
「どうしてさ」
「普段とちゃうことしよったら、その日が特別に思えるやん」
「特別じゃなくていいっんだよぉ」
「どないして?」
「お日様は毎日昇って、落ちるっから」

ブイッとピースサインを侑ちゃんに送ったら
侑ちゃんはお腹を抱えて笑い出した

「ジロらしゅうて、えぇな」
「そぉ?普通だよぉ〜」
「ジロのそないなとこ。俺は好きやで」
「俺も侑ちゃん好きぃ〜」

ちゅう、って軽いキスをして
おれたちはお日様の下で昼寝をした
侑ちゃんと一緒なら
大人に近づくのも怖くない
‥かも知れない

わくわくのオレンジのソラの下で
好きな人と一緒
それがいつまでも続けばいいっな

その後
昼寝を見つけられって
跡部にみっちりお説教を食らいました






ジロたんお誕生日SSです(笑)
ちょっと早いけど、今のうちに書いてしまいました
今じゃないと書けないこと
今じゃないと伝えられないこと
機会とタイミングは同じ
それが今だったので書いてしまいました
ぼんやり系のジロたんが氷帝では1番最初にお誕生日を迎えるのですが・・・
子供の日が誕生日で1番最初
なんだか意味があるような気がするのは・・・
自分だけでしょうか?
少し早いけど、ジロたんお誕生日おめでとう♪

050423